おのれ超自由党,まだ俺を苦しめるか!

 刑法には性的自由に対する罪の処罰規定があります。その話に興味のない方,嫌いな方は見ないほうがいいと思います。ソウイウ話題ではあるので,一応「Y兄」タグを付けておきますが,エロ要素はありません。






 強盗犯人が故意で殺人を犯した場合や強姦犯人が故意で殺人を犯した場合の罪数に関して山口説(それぞれ強盗致死罪1罪,強姦罪殺人罪の観念的競合の成立)を採っている方,集団強姦犯人が故意で殺人を犯した場合はどう処理すればよろしいのでしょうか。

1・集団強姦致死(181条3項)と殺人罪(199条)の観念的競合
 刑:6年以上の有期懲役,無期懲役,死刑。
 利点:刑罰の範囲が最も妥当。
 批判:殺人の結果を二重に評価してしまうことになる。

2・集団強姦致死(181条3項)の1罪
 刑:6年以上の有期懲役,無期懲役
 利点:殺人の結果を二重に評価することがない,下限が殺人罪集団強姦罪いずれよりも重い。
 批判:最高刑が無期懲役なので,殺人罪よりも却って軽く処罰することになる。

3・集団強姦罪(178条の2)と殺人罪(199条)の観念的競合
 刑:5年以上の有期懲役,無期懲役,死刑。
 利点:殺人の結果を二重に評価することがない,死刑を選択可能。
 批判:刑の下限が懲役5年となるところ,殺人の結果に故意のない集団強姦致死(下限懲役6年)よりも軽くなる。

 ……ということになって,決め手に欠く,と思うのだが。

 そうすると,二重評価と,刑の選択のどちらの妥当性を優先させるかで価値判断しなければ,ということになりそうだ。
 なお,どれを優先させるべきと考えているか本人に訊こうと思ったら,学部刑法第2部は本日休講だった。あと5日は悩まねばならない。

   ◇

 ところで,そもそもこういうことになったのは,集団強姦罪が設けられたからに他ならない。超自由党(仮称)のW田サンやK本は恥を知れ。