正字正仮名使用「志願」者の憂鬱

 私は正字正仮名(いわゆる旧字旧仮名)使用志願者である。ここは新字現代仮名遣いで書いているが,ウラでは正字正仮名を使用。私的な文章は正字正仮名に順次移行中。志願理由はいろいろあるのだが,私が愚見を述べるよりも,福田恆存『私の國語教室』を読んでいただいたほうがはるかにわかりやすいので省略。

 さて,正字正仮名使用者としてまず困るのが,正字の活字がないこと。仮に自分のPCにあっても,他人のPCに入っているとは限らないので,読んでもらえないかも知れないのが困る。ちなみにここはてなダイアリーでは,一定水準以上の正字体が認識されない。
 次に,表示されるとしても,潰れてしまうこと。MS Pゴシックではさほど感じないのだが,先ほどVistaの標準フォントとされる「メイリオ」を入れたところ,正字体の多くが見事にぶっ潰れたので,慌てて元に戻した(一部表示がいまだにメイリオだな……)。

 手書きでも,慣れるまでにはまだまだ勉強が必要,ゆえにまだまだ「志願」者。文化の継承とは難しい。

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 そうやって幾多の試練に耐え,正字正仮名で文章を書いたとしよう。しかし,目の前にはこのような難題が待ち受けている。ある人のお言葉だという。

 「恋文を正仮名で出して気持ち悪がられる覚悟を持て」(大意)

 しまった,読んでもらえなかったらどうしよう……ヤッパリキモチワルイノカナ……orz

 そういうわけで,好みのタイプに「正字正仮名が読める人」を入れてもよろしうございますか。文化の継承とは非常に難しい。

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 あ,これまでは正字正仮名で出したことありません。「私にくれたのは恋文じゃなかったの!?」とか思わないでください,それは多分恋文です。こんなこと思う人はいないと思うが,念のため。